八ヶ岳周辺のスミレ(概要)

1,すみれ探しの楽しさ

スミレ探しの楽しさを一言で言うと”野山への宝探し”と言うことでしょう。
と言っても、私はそれを採取することが目的ではなく、私の住んでいる風土の自然の中に
スミレに限らず、いろいろな植物が、そのままの姿で存在する事の確認が、私にとっての宝です。
自分と一緒に生きている、この自然を少しでも深く理解出来ればと思っています。

2,調査地域

山梨県の八ヶ岳南麓(韮崎市、北巨摩郡)をメインに長野県,南牧村、富士見町、諏訪地方を
サブに調べました。詳しい生育地については”保護”の観点からも、控えさせていただきます。
「この地区にこんなスミレがあったんだ!」と参考になれば幸いです。

3.生育環境

この地域は八ヶ岳、南アルプス、秩父山系に囲まれ、標高で言うと約400mの韮崎市から約2900mの
高山まで、幅が広いためさまざまな種類のスミレが見られます。また,冬は寒く、雪の少ない
特色ある地域として、大陸系のスミレや、この地域の南部では”ソハヤキ系”のスミレが
僅かですが見られます。しかし、開発、植林、農地の構造改善によって、その住環境
は決して安住であるとはいえません。例えば、湿った環境に群落単位で生育するヒカゲスミレ、
個体数が少なく僅かに点在するゲンジスミレやイブキスミレにはその打撃は大きいものです。

4,検索について

検索については、山渓ハンディ図鑑6「日本のスミレ」写真、解説、いがりまさし(山と渓谷社)
主に使用しました。詳しい検索、生態については、ぜひお勧めします。

その他、参考文献として、

1,浜 栄助 著「原色日本のスミレ」誠文堂新光社 1975、交雑種にも詳しくスミレの図鑑の最高峰
絶版なので、図書館でお探しください。ちなみに山梨県内の図書館には有りません。

2,浜 栄助 著「写真集、日本のスミレ」誠文堂新光社 1987、絶版なので、図書館でお探しください。

3,橋本 保 著「日本のスミレ」誠文堂新光社 1967、絶版なので、図書館でお探しください。

4,新井 次郎 著「スミレ賛歌」 講談社 発売中。

5,見つけ難易度について

このスミレ紹介WEBでは「スミレの見つけ難易度」を表示しました。
どこでも良く見られるタチツボスミレを難易度 1 として、個体数や、高い山まで
登らなければ見れない、体力面など総合的に判断し、5段階で表示しています。
(この「スミレの見つけ難易度」は、この調査域内のものです。)

目安

難易度1庭先から道端、山中まで、普段良く見かけます。
難易度2農耕地の脇道など、苦労せず、見つける事ができます。
難易度3図鑑などで生態を研究し、見つける気になれば見つかります。
難易度4個体数が少ないもの、また個体数はあるが、山中を歩く、体力を要するもの。
難易度5個体数が極端に少ないもの、交雑種や、変種、体力を要するもの。

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